
オフショア開発で失敗するパターンと対策
01 April, 2022
はじめに
オフショア開発は開発コストを大きく落とせる魅力がある一方、トラブルを多く聞きます。
オフショア開発で見られる失敗事例と原因、対策を紹介します。
オフショア開発の失敗事例
まず、オフショア開発でどのような失敗が起こりうるか紹介します。
費用かかりすぎてしまった
オフショアを使ったことで結果として開発費用が想定よりかかってしまうことがあります。
一括請負契約であれば見積り以上に請求をされることはありませんが、出来上がったプログラムによっては機能が足りなかったり、出来が悪く作り直しをする事態になることもあります。
納期の遅れ
オフショア開発に限ったことではありませんが、納期が遅れることがあります。
オフショア開発が利用される国では基本的に日本と比べると期限に対する意識が薄いと言われます。
また、当初の見積りでは不具合を修正する期間までの見積りがされていなく、品質が悪く修正箇所が多くなり、修正が繰り返されて期限を過ぎているということが起こります。
バグ・品質よくない
オフショアの技術者の技術レベルが開発を依頼する前はわからないことがあります。
技術がないために、強引な実装を行い不具合が多く発生するシステムになってしまうこともあります。
納品が優先され、バグがあっても放置をして指摘をされたら修正をするというスタンスをとる開発者もいます。
コードが解読できない
オフショアではコードの書き方をエンジニア任せにしている会社が多くあります。
依頼をしたオフショア開発会社と合わず、開発会社を変更するためにコードを見てみるとメンテナンスができないような乱雑なコードになっていたということも。
設計と異なる
設計書に定義されている動作と異なる実装ミスが起こりえます。
動作確認テストが十分に行われていないことが考えられます。
仕様と異なる
要件や仕様と異なる実装がなされることがあります。
コミュニケーションが上手くできていなかったり、業務を考えた想像ができない、といったことが原因として考えられます。
メンバーが流動的
オフショア開発ではプロジェクトごとに人が入れ替わります。
また、開発会社の中でも人が退職などで入れ替わりがあり、オフショアチームを育てあげることが難しいことがあります。
原因と対策
オフショアが失敗となる事例を元に、考えられる原因を深堀りをしていくことで対策をとることができます。
オフショア開発会社が原因の問題であれば、開発会社を採用する時点で不安要素がないかをしっかりと確認しましょう。
また、すでにオフショア開発会社との開発が進んでいるのであれば、相手をフォローをするつもりでプロジェクトを成功させることを優先しましょう。

オフショア側の問題
コミュニケーションがうまくいかない
コミュニケーションの齟齬による開発の失敗が多く見受けられます。
「設計と異なる」「仕様と異なる」ような問題はコミュニケーションを起因とするものです。
対策
- レポートだけでなくブリッジと会話をする
- チャットツールを使い、コミュニケーションのし易い環境を作る
- QA表を使い、不明点を残さないようにする
- 仕様を必ずドキュメントにする
- 仕様については口頭でも十分に説明をする
- 「やってくれる」という意識は持たずにこちらで要求を明記する
ブラックボックス
ブラックボックスな開発となってしまうことで「納期」「バグ・品質」「コードが解読できない」「メンバーが流動的」のような問題に繋がります。
対策
- バックログでの進捗共有と確認
- 不明点がないか、トラブルが発生していないかを常に確認する
- こまめに実装のプロダクトを提出してもらい、想定の動作となっているか確認する
- 可能であればソースコードの書き方や品質をチェックする
- ドキュメントを提出してもらい、属人的な開発にならないようにする
会社の経験が浅い
会社としての経験が浅いことにより「費用がかかりすぎ」のような問題に繋がります。
対策
- 実績のある会社を選ぶ
- 依頼をする開発と同様のシステムの開発実績があるか確認する
- 見積りであれば複数の会社に出して提案される機能に漏れがないか比較をする
発注者側の問題
要件や仕様が練られていない
発注者がシステムにそれほど詳しくない場合もオフショア開発会社へ依頼することがあります。その場合は開発会社で要件定義をして仕様を作成してもらうことはできます。
ただし、提案のされた構成や仕様をそのまま受け入れてしまうと、思っていたものと違うということになる可能性があります。
対策
- モックを作ったりして、利用の想定に合っているかを確認する
- 画面設計があれば、わかりにくい点がないか確認する
- 詳細のシステムの動きも、なるべく任せっきりにせずに仕様に関わる
まとめ
オフショア開発はメリットばかりでなく、コントロールが難しいといったデメリットもあります。
オフショア開発会社を選ぶ際には、その会社でどのような対策が立てられているかを確認しておくなど、発注側でも自衛をすることが大切になります。
開発は費用の比較だけで選ばず、総合的に見て開発の失敗が起こるリスクがないかを見極めて開発会社を選びましょう。
オフショアをパートナーと認識し、また言語や日本の文化の違いがあることを受入れて進めることが成功に繋げるポイントとなります。
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